会長就任にあたって (平成22年5月)
地理情報システム学会会長 吉川 眞(大阪工業大学)
- 5月15日に開催されました社員総会で理事に選任され、理事会のご推挙により会長を務めることになりました。その職責の重さを痛感し気を引き締めるとともに、些かなりとも学会の運営と発展にお役に立てればと願っております。
昨年は学会にとって転機の年でした。1991年11月30日にスタートした学会は、長らく任意団体として活動してきましたが、昨年4月に一般社団法人として新たなスタートを切りました。この法人化は、前会長の柴崎亮介先生、前事務局長の大澤裕先生、前総務担当理事の今井修先生をはじめ、多くの方々のご尽力の賜物であり、法人格を備えた団体として、その地歩を固めることが引き継いだ私のもっとも重要な役目と考えています。
この観点から学会の推移を振り返ってみますと、設立大会に140余名が参集して以来、順調に増加してきた個人会員は、2007年11月末の1,690名をピークに減少傾向がみられます。地理空間情報とこれに関わる技術に対する社会的な要請と認知度は高まっているにもかかわらず、個人会員は昨年5月末には1,224名にまで落ち込んでいます。法人化による会員資格の厳密化による影響があるとしても、減少傾向に歯止めをかけなければなりません。また賛助会員も、2004年4月末の127団体をピークに、同じく昨年5月末時点で80団体となってしまいました。2000年頃の水準にもどってしまったことになります。この1年で個人会員はやや回復しているようですが、学会の財政基盤は会費収入に依存していますので、個人・賛助を問わず会員数の増加は緊急の課題といえます。
というのは、先の社員総会に報告しました2010年度予算は、法人化による経常経費の増大もあって、赤字予算とならざるを得なかったからです。任意団体から引き継いだ基本財産がありますので、赤字が直ちに問題という訳ではありませんが、できるだけ早く単年度単位での均衡を図らなければなりません。そのためにも、会費の増収を図る必要があります。そこで、社員総会で代議員の皆様に会員獲得に努めるようお願い申し上げました。会員の皆様も会員資格の継続はもちろんのこと、ぜひ関係される多くの方々へ入会を働きかけていただきたいと思います。
会員数に関わって気懸かりな点がもう一つあります。それは、学会活動に主体的に関わっていただく代議員の構成です。今期の代議員50名を地方別に集計してみますと、関東33名、関西12名、その他5名という構成になっています。正会員の構成比は、もちろん関東が50%と一番多く、次いで関西の16%となっていますが、代議員の構成は明らかに関東と関西に偏重していると言わざるを得ません。次期では関東・関西だけでなく各地方の会員諸氏の積極的な代議員への立候補と選出を期待しています。
地方ということでは、今年度の学術研究発表大会は、10月23、24日の2日間にわたり、京都の立命館大学衣笠キャンパスにおいて、大会本部長を矢野桂司先生にお務めいただき開催することになっています。また、来年度は鹿児島が予定されており、今期は地方開催が続くことになります。全国から多数のご参加を期待しております。また今年度は、9月19日〜21日の3日間にパシフィコ横浜で開催される「G空間EXPO」に学会としてシンポジウムとブース展示で参加することになっています。それぞれ碓井照子先生と柴崎亮介先生を中心に企画が進行中です。こちらにも多数のご参加をお願い申し上げるとともに、こういった学会外部の企画も会員増に繋がればと期待しています。
会員増のお願いばかりとなってしまいましたが、われわれの学会は地理空間情報を中心として集まった多種多様な分野の研究者や実務者の集まりであり、草創期には個別の専門領域を超えてさまざまに刺激し合う活発な雰囲気に充ち満ちていました。学会発展の鍵は、この草創期の再現にあるように思います。微力ながら、まずは活発な雰囲気を生み出すことに努めたいと思います。皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

地理情報システム学会では,論文集 『GIS-理論と応用』 や学術大会の梗概集などを発行しています.